Eurasia Unit for Border Research (Japan)

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What's New Archives

2016.04.10

中山大将著『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成』が日本農業史学会賞を受賞!

Nakayama_book.jpg中山大将著『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成』が日本農業史学会賞を受賞!

 2012年4月より2015年3月まで北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターを受入先として日本学術振興会特別研究員をつとめられた中山大将氏(現・京都大学地域研究統合情報センター・助教)の単著『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成:周縁的ナショナル・アイデンティティと植民地イデオロギー』(京都大学学術出版会刊、2014年)が日本農業史学会賞を受賞しました。中山氏は、大日本帝国統治下の樺太を研究対象とし、そこでの農業政策や移住した人々のアイデンティティなどについて当時の一次資料だけでなくオーラルヒストリーなども駆使して研究している若手のホープです。グローバルCOEプロジェクト「境界研究の拠点形成」やUBRJにおいても、ABS、BRITでの研究報告などで活躍しました。樺太・サハリン史研究だけでなく、多民族文化論、帝国論、そしてもちろん境界研究の立場からも興味深く読むことのできる著作となっております。中山氏は、今年度より日本学術研究会科研費プロジェクト「境界地域史への地域情報学活用:サハリン島ミクロ歴史情報データベースの構築と応用」を率いることになっており、境界研究の分野においても益々の活躍が期待されます。

2016.03.30

和文査読誌『境界研究』6号の刊行

和文査読誌『境界研究』6号の刊行

 UBRJが編集・刊行を行っている和文査読誌『境界研究』6号が刊行されました。巻頭に、政治地理学の世界的権威であるジョン・アグニュー卓越教授による2015年11月の九州大学での「グローバル化時代の地政学」と題する特別講義の記録が掲載され、それ以外にも、論文3本、研究ノート2本、書評3本が収められております。南沙諸島や同地域での石油探査をめぐる中越関係、ミヤンマー北部の雲南ムスリムコミュニティ、大日本帝国の北進論における日持上人の樺太伝教「伝説」の再生産の位置づけ、現代トルコの学知としての地政学の状況、北方領土旧島民およびその子孫へのアンケート調査の結果、このように多様な内容の論文が収録されており、我が国における境界研究の拡がりを感じさせる号となっております。こちらから全ての論文のダウンロードが可能です。ぜひご覧ください。また、『境界研究』は次号7号の論文・書評の投稿を募集しております。ご関心ある方は編集部(tetsuroch[at]slav.hokudai.ac.jp)にご連絡ください([at]を@に置き換えてください)。


2016.03.17

Eurasia Border Review, Vol. 6, No. 1の刊行

EBR6flyer.jpgEurasia Border Review, Vol. 6, No. 1の刊行

 境界研究ユニット(UBRJ)が刊行する英文学術誌であるEurasia Border ReviewのVol. 6, No. 1が刊行されました。今号より年1回刊行に戻ります。論文3本、研究ノート1本、書評1本の他、境界をめぐる事象についてアクチュアルな知見・視座を提供する「視点(perspective)」というコーナーが新たに設けられ2本が収められています。また、2015年3月に九州大学に新設された境界研究の拠点である、九州大学アジア太平洋未来研究センター(CAFS)の設立シンポジウムでのラウンドテーブルの様子も収録されています。すべてのペーパーがダウンロード可能です。こちらからご覧ください。

2016.03.14

UBRJユニットリーダー岩下明裕による新著『入門 国境学』(中公新書)が刊行!

UBRJユニットリーダー岩下明裕による新著『入門 国境学』(中公新書)が刊行!

 UBRJユニットリーダーの岩下明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)による新著『入門 国境学:領土・主権・イデオロギー』(中公新書)が3月24日に刊行されました。中ロ国境4000キロの旅から始まり、ワシントン・ブルックリン研究所での経験、グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」によるディシプリンとしての境界研究・国境学の始動、境界地域研究ネットワークJAPANの設立と境界自治体のネットワーク化、『北方領土問題』(中公新書)や『北方領土・竹島・尖閣 これが解決策』(朝日新書)などでの日本の領土問題についての提言、Association for Borderlands StudiesやBorder Region in Transitionを通じての日本の境界研究の国際化と欧米での学知の獲得・・・これらすべてから得た経験と知見が凝縮された一冊となっております。あくまで「入門」ですので、国境や領土問題に関心のある一般の方から人文・社会科学の研究者まで幅広い層の方にお読みいただけます。ぜひ書店で手に取ってご一読ください。

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2016.03.14

UBRJセミナーにて人口・リプロダクション政策をめぐるBook Talkを開催(3/3)

UBRJセミナーにて人口・リプロダクション政策をめぐるBook Talkを開催(3/3)

 2016年3月3日、UBRJセミナーとして初の試みであるブックトーク(書籍の合評会)が開かれました。合評の対象となったのはRickie Solinger and Mie Nakachi, eds., "Reproductive States: Global Perspectives on the Invention and Implementation of Population Policy" (New York: Oxford University Press, 2016) で、西側先進国、開発途上国、東側社会主義国における人口、リプロダクション、ジェンダーなどをめぐる政策史の国際比較を行った英語の学術書です。最初に、編者である中地美枝(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)が同書全体のコンセプトと各章の概要について述べ、その後、ポーラ・マイケルズ(豪・モナシュ大学)が中地による報告に対してコメントを行いました。ジェンダーをめぐる社会的境界の問題はUBRJで扱い切れていなかった分野であり、その点においても有意義なセミナーとなりました。元々ソ連史を専門とする中地による報告で印象的だったのが、資本主義世界と社会主義世界で人口統制について異なるアプローチがあり、開発途上国は人口統制を導入する上で資金を欠いていたという対比は構図として分かり易かったが、同時に、妊娠中絶導入と普及のアプローチとプロセスが日本とソ連で似通っていたという指摘だった。このようなジェンダーやセックスをめぐる問題とフィジカルなボーダーを絡めた研究など、我が国のボーダースタディーズとして今後のさらなる展開があり得るということを感じさせるセミナーでした。

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2016.03.10

ウラジオストクにてIntroduction to Border Studiesが刊行!

ウラジオストクにてIntroduction to Border Studiesが刊行!
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 2011年度GCOEサマースクールに講師として来札したセルゲイ・セヴァスチヤノフ(極東連邦大学)、2009年度の同参加者のユッシ・レーン(東フィンランド大学)、また、ロシア極東地域でのボーダースタディーズの牽引者の一人で2012年のBRIT XII 福岡/釜山大会にも参加したアントン・キレーエフ(極東連邦大学)が編者をつとめたIntroduction to Borderstudies(英語)がウラジオストクのDalnauka社より刊行されました。第1部では、レーンがボーダースタディーズの学史についての章を執筆し、モスクワ在住でロシアの政治地理学の泰斗であるヴラジーミル・コーロソフがボーダースタディーズ理論の章を執筆。第2部はロシア極東の研究者がボーダースタディーズの個々の理論的側面について英語で執筆しており、ボーダースタディーズに対するロシアのアプローチを知る上で格好の材料を提供してくれています。第3部は世界中のボーダーランドの実情について地域別の章が割かれており、UBRJユニットリーダーの岩下明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)とエドワード・ボイル(九州大学アジア太平洋未来研究センター)が「アジアにおける国境」というチャプターを執筆しています。UBRJは今後ともロシア極東地域の研究機関・研究者との交流も続けてまいります。

2016.03.02

UBRJセミナー「北海道・ロシア(サハリン州)の地方間交流の比較分析:根室と稚内」開催される(2/23)

UBRJセミナー「北海道・ロシア(サハリン州)の地方間交流の比較分析:根室と稚内」開催される(2/23)


 2016年2月23日、中京大学教授で境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)副代表代行の古川浩司氏をお招きしてUBRJセミナーが開催されました。古川氏は北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターの客員教授も兼任されており、センターの客員研究員セミナーも兼ねる形式で行われました。セミナータイトルは「北海道・ロシア(サハリン州)の地方間交流の比較分析:根室と稚内」。北方四島とのビザなし交流を1992年から、元島民及びその家族を対象とした自由訪問を1999年から続けている(それ以外にも墓参のための訪問もある)根室、サハリン島コルサコフとの定期航路を軸に経済交流を続けてきた稚内について、その交流の実態を踏まえた上で、理論的に総括することを主眼とした報告でした。国際政治学者カール・ドイッチュによる「交流主義(transactionism)」という概念と、境界研究者のエマニュエル・ブルネト=ジェイリーによる「境界地域研究理論」をまず提示し、根室と北方四島、稚内とサハリンの文化・経済交流の実態をこれら二つの理論に当てはめるという試みを行いました。根室=北方四島については、日本政府によるガバナンスが境界地域にまで完徹していることにより、ドイッチュが述べるところの市民レベルでの「モノ・カネ・ヒトの頻繁な往来」が進まず、ビザなし交流で相互理解は深まりつつあったけれども、結局は領土問題のせいでそれ以上のものにはならなかったということが指摘されました。稚内=サハリン島については、「ヒト・カネ・モノの交流」により、合弁企業の設立など相互理解と信頼醸成は深まったけれども、ここでも領土問題にみられる政府レベルでのガバナンスの論理が優越して交流が停滞してしまっている現状が示されました。つまり、ドイッチュのいうところの「安全保障共同体」は未だ形成されるに至っていないということです。これに対し、古川氏からは、地方間の国際経済交流を官だけではなく、官民連携で行う必要性について提言がなされました。

 平日夕方の時間帯にもかかわらずセミナーには22名もの参加があり、質疑応答も非常に盛り上がりました。フロアからは、国際私法の論理で動いてしまっている地方自治体間の交流をある種制度化する、つまり国際公法化する必要があるのではないか、むしろ中間の環でのガバナンスが不足しているのではないかとの指摘や、ドイッチュの議論は国家の中心からの視点でありブルネト=ジェイリーのものは境界の現場に即した議論であって向いている方向が違うのではないかという越境交流の理論的側面に関する質問も飛び交いました。また、学部1年生の参加者からポスト・プーチン時代の越境交流の変化についての予測やロシア側の交流についての見方などという、非常に重要な点を衝く質問も投げかけられたのが印象的でした。今後とも北海道・サハリン間の越境交流の実態を日本側・ロシア側の双方の立場からウォッチし続け、さらに理論的にブラッシュアップすることが期待されます。興味深いご報告をいただいた古川氏ならびにお越しいただいた参加者の皆様に感謝申し上げます。

(文責:地田 徹朗)
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2016.02.25

「越境する中東難民と欧州安全保障」開催される(2/18)

「越境する中東難民と欧州安全保障」開催される(2/18)

 2016年2月18日、UBRJセミナー「越境する中東難民と欧州安全保障」がスラブ・ユーラシア研究センター大会議室で開催されました。本企画は国連での2年に及ぶ勤務が終わり職場復帰された鈴木一人教授(大学院法学研究科)と欧州の移民問題の第一人者でもある樽本英樹准教授(大学院文学研究科)のダブル報告により、混迷する欧州の状況を読み解こうとするものでした。鈴木教授は「難民流入がもたらす欧州の安全保障上のインプリケーション」というタイトルで難民流入問題のインパクトの大きさを受け止めつつも、そもそものEUが経済的な利益共同体として発展してきた経緯を参照し、EUの制度そのものを掘り崩すまでにはいたらないのではないかとの示唆を行いました。これに対して樽本准教授はEUのもつ市民社会としての価値的な側面をも重視し、「市民」概念の重層性をモデルによって読み解く意味を強調しました。総じて、EUを理想主義的にとらえようとする立場から今回の事態を危機的にとらえる傾向が強いと思われますが、本セミナーを通じて、参加者の多くはEUの来歴やその機能や実態に着目して冷静な議論を積み重ねる必要性を感じたようです。タイムリーなテーマでもあり、30名の参加者で議論は盛り上がりました。部局を越えてテーマによって様々な連携しうるUBRJの強みが出た企画と言っていいでしょう。  (文責: 岩下 明裕)

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2016.02.23

JIBSN根室セミナー参加記(2/13-14)

JIBSN根室セミナー参加記(2/13-14)


R0017211.JPG 2016年2月13日(土)、根室市にある北海道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ)を会場として、境界地域研究ネットワークJAPAN(JIBSN)根室セミナーが開催された。根室市は北方領土をロシアが実効支配している以上、北方領土との境界に位置する街であるが、同時に、日本が北方領土の主権を主張し続けている以上「国境と呼べない」街でもある。領土問題の存在が根室市経済の発展を大いに阻害してきた。また、北方領土の旧島民及びその子孫の多くが根室市に住んでいる。よって、根室市民への本セミナーへの関心は高く、多くの市民の方がセミナー聴講に訪れていた。

 年一回のJIBSNセミナーは、全国の国境自治体の行政担当者が顔を突き合わせて意見・情報交換をする貴重な機会となっている。前回は竹富町がホスト役となり西表島で開催されたが、今回も、稚内市、隠岐の島町、対馬市、五島市、竹富町、与那国町、小笠原村の各自治体代表が顔を揃えた。それ以外に、国境問題を研究する研究者や報道機関関係者などが加わり、一般市民の方と合わせて総勢56名がセミナーに参加した。

 セミナーは二部構成であった。第一部は「境界地域に暮らすこと:北方領土・竹島・尖閣」と題し、根室市、隠岐の島町、与那国町のそれぞれが抱える領土問題の歴史的経緯とその現状、自治体ごとの領土問題に対する取り組みについて報告がなされた。トップバッターは、ホスト役の織田敏史(根室市北方領土対策課)の報告である。戦前・戦後を通じて浮き沈みがあった北洋漁業が、本年1月1日よりロシア領海でのサケ・マス流し網漁が全面禁止されたことにより完全に終焉を迎え、それが根室市経済にとって大きな打撃であり、人口減少に歯止めがかからなくなる恐れがあるとの危惧が切々と語られた。米澤壽重(隠岐の島町議)の報告は、竹島の韓国による実効支配の問題と同時に、日韓漁業協定により日本側に漁業権が確保されているはずの暫定水域での操業が韓国側の嫌がらせにより実質的に入れない状況にある現状について訴えた。同時に、領土問題・漁業問題については関連団体との情報共有と連携強化に努め、政府間交渉を後押しするだけでなく、地域として「生活者視点」での解決策を模索する。それと共に、漁業・林業・畜産業・観光業といった島の基幹産業がもつリソースを最大限活用してゆくという極めて前向きな開発のあり方が示されたのが印象的だった。小嶺長典(与那国町長寿福祉課)は、尖閣諸島から与那国島は最も距離的には近いこともあり、戦前・戦中は生活材であるクバを魚釣島に刈りに行くなどかかわりが深く、戦後は台湾に渡った先島の島民が率先して尖閣沖に出漁したが、本土復帰後は与那国島からの遊漁船すら近づけなくなり、与那国島民の間での尖閣をめぐる記憶の風化が憂慮されている現状について報告がなされた。これら3報告に対して、ファベネック・ヤン(北海道大学大学院文学研究科博士課程院生)がコメントした。ヤンは極東地域経済の専門家であり、過去に根室市役所でインターンとして働いた経験をもつ。ロシア領海での流し網漁の禁止は根室だけでなく同じ漁法を使っていたロシアの北千島の漁師にとっても大打撃であり、ここに対話の可能性が開けていることを指摘した。また、国境の街かどうかということにかかわりなく、自分の地域の特性を活かした町おこしをしてゆく必要性について強調した。

R0017267.JPG 第二部は「日本のボーダーツーリズム:成果と展望」と題して6名が登壇した。北のボーダーツーリズムについては、中川善博(稚内市サハリン課)と岩下明裕(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター/UBRJユニットリーダー)が報告。中川は2015年に稚内で催行された3回の国境観光ツアーについて、訪ねる先の地域にある「物語」に出会い見つめることだと言い得て妙な表現でまとめ、国境を越えるツアーを組織することで、これまで旅の到着地であった稚内が「再び」経由地あるいは始発地となる経験をすることができたと述べた。岩下明裕は、国境を越えない道東ボーダーツーリズムの経験から、ジャズや野鳥など、北方領だけではない根室の魅力という旅人を魅了する仕掛けが必要だと指摘した。ボーダーツーリズムのパイオニアたる対馬/釜山については、平間壽郎(対馬市役所総合政策部)と花松泰倫(九州大学持続可能な社会のための決断科学センター)が報告した。平間によると、昨年だけで21万3千人の韓国人が対馬を観光で訪れており、比田勝港国際ターミナルの整備、ホテル建設、観光情報館のオープンなどインフラ整備が急ピッチで進められているとのことである。花松は、これまでの2回のモニターツアーの結果として国境を挟んだ観光のニーズは確実にあることが確認されており、これからはツアーのコンテンツにいかにストーリーを組み込んで提示できるかが鍵だと述べた。また、対馬を訪れる韓国人観光客が低所得層から中・高所得層に変化してきており、それに伴って観光客のマナーも向上している。今や、韓国人観光客に対する対馬側のマナーが問われる状況になっていると説明があった。まだ実現に至っていない八重山/台湾のボーダーツーリズムについては、岸本将希(竹富町役場企画財政課)と島田龍(九州経済調査協会)が報告した。岸本は、夏場に大型クルーズ船などでやってきて爆買いを繰り広げる台湾人観光客の現況と、八重山でのボーダーツーリズムの実現に伴う八重山観光の通年化への期待について語られた。島田報告では、ツアー実現に向けて試行錯誤したことから学んだ問題点と課題について、1)ツアー実施のための確保とビジネスとして成立するパッケージ化、2)一般旅行者に向けた情報発信の方法の検討、以上の必要性について指摘された。昨年仕掛けたモニターツアーは最少催行人員に達しなかったことから実現せず、本年に再チャレンジするとの由である。これらの報告に対して、久保実(五島市市長公室)がコメントした。久保は、国境地域には安全保障の最前線として、そして、ボーダーツーリズムのゲートウェイとしての2つの役割があると指摘し、だからこそ過疎化に苦しむ国境地域に人が住み続けることが重要なのだと述べた。

 総括討論では、来年度のJIBSNセミナーのホスト役となる鶴田典之(小笠原村東京連絡事務所)が登壇しコメントをした。

R0017340.JPG セミナー前には納沙布岬北方館と国後島との通信施設跡の視察、セミナー後には標津・羅臼の巡検が組織された。バス車内では、松崎誉(根室市北方領土対策課)による領土問題と根室市のこれまでとこれからについて、鹿野こず恵(標津町総務課)からは過疎化が進む中でも前向きな若者誘致や産業振興の取り組みについて説明があり、非常に多くのことを学ばせていただいた。標津町では、歯舞群島多楽島出身の福澤英雄さんに、戦前に数年間暮らした多楽島での思い出と、ビザなし交流での現島民との友好関係について語っていただいた。「現島民のロシア人に悪い人はいない」と、北方領土が戻ってこない苦悩と葛藤しながらも、笑顔で仲良く北方領土のロシア人と20年にわたる友情関係を構築している姿に心を打たれた。

 今回のセミナーで強く感じたことは、1)国境地域になってしまったこと、そして現在なおそうであることをめぐる「記憶」を紡いで後世に伝えてゆく必要性、そして、2)国境地域であることの利点、あるいは、それとは関係なくとも地域がもつ特性・リソースを最大限活用した前向きな街づくりの取り組みの必要性、この二点である。1)については、与那国町役場でインターンとして活躍する小池康仁氏が取り組んでおり、対馬市も博物館建設を計画している。視察で訪れた根室の北方館や、ビザなし交流の記録をアーカイブとして展示している二・ホ・ロの取り組みも参考になるだろう。2)については、各国境自治体の取り組みの良いところ、前向きなところを情報共有・意見交換し、お互いが刺激し合いながら参考にすべきところを参考にする場としてのJIBSNの可能性を再確認した。今後とも、国境問題をめぐる実務と研究の橋渡しの場としてJIBSNが機能してゆくことを切に望む次第である。

 JIBSNセミナーでは、長谷川俊輔市長をはじめとする根室市役所の方々、福澤さんの講演会をセットしていただいた標津町役場の方々には一方ならぬお世話になった。根室市での懇親会での素晴らしいおもてなしとジャズ生演奏と合わせて、心から感謝したい。ありがとうございました。

(文責:地田 徹朗)

2016.02.05

ボーダースタディーズ・サマースクール参加者の応募開始!!(締切2/28)

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ボーダースタディーズ・サマースクール参加者の応募開始!!(締切2/28)

スラブ・ユーラシア研究センター公共政策大学院は、本年7月25日(月)~28日(木)の期間でボーダースタディーズ・サマースクールを実施いたします。スラブ・ユーラシア研究センターは、2010年から2014年までの計4回、グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成:スラブ・ユーラシアと世界」の枠内でサマースクールを実施しており、2016年度それが復活することになります。今般のサマースクールは北海道大学国際本部が主催する「Hokkaido Summer Institute」の枠内で実施されますので、参加申し込みは国際本部を通じて行っていただくことになります。費用等についての情報はHokkaido Summer Institute特設サイトをご参照ください。国外から著名なボーダースタディーズの専門家を講師としてお招きし、北大のスタッフと共に計16コマの講義を英語で行います。また、サマースクール終了後にはエクスカーションも予定されております。日本と世界のボーダースタディーズの最新の研究動向を学ぶまたとない機会となります。日本からの、世界からのボーダースタディーズ・サマースクールへの参加を心よりお待ちしております!!応募締め切りは2月28日(日)17です。(過去のサマースクールのプログラムはこちら!)

(ボーダースタディーズ・サマースクール国内向け奨学金の公募はこちら!)

The two courses on border studies that will be available are as follows:
Invitation to Border Studies I: Theory and Practice (Period: July 25-26, 2016)

[Course Schedule]

1. Introduction to the course: Overview, ice breaker

2. Theoretical Framework on Border Studies

3. Border and Migration I: Case study of Europe

4. Border and Migration II: Case study of East Asia

5. Border and Environment I: Case study of the Arctic

6. Border and Environment II: Case study of Central Asia

7. Border and International relations I: North Korean issues

8. Border and International relations II: Territorial issues

Invitation to Border Studies II: Practice and Application (Period: July 27-28, 2016)

[Course Schedule]

1. Introduction to the course: Overview, ice breaker

2. Border and tourism: Case study of East Asia

3. Border and tourism: Case study of Europe

4. Border and Culture: Representation through art

5. Border and Culture: Foodscapes

6. Border and gender

7. Border and diversity

8. Wrap up session: Student presentations

The post-school excursion in Sapporo & Shiraoi is planned on July 29.

The above courses will be taught by the following instructors:

Akihiro Iwashita (Slavic Eurasian Research Center, Hokkaido Univ.)

Shinichiro Tabata (Slavic Eurasian Research Center, Hokkaido University)

Tetsuro Chida (Slavic Eurasian Research Center, Hokkaido Univ.)

Naomi Chi (Graduate School of Public Policy, Hokkaido Univ.)

Alexander Diener (University of Kansas)

David Shim (University of Groningen)

Paul Fryer (University of Eastern Finland),

Joni Virkkunen (University of Eastern Finland)

These above two courses are introductory courses on border studies, covering the theoretical frameworks and specific issues pertaining to borders in Eurasia. This is your invitation to border studies, everyone is most welcome!


For more information please visit the following website:
http://hokkaidosummerinstitute.oia.hokudai.ac.jp/


For directions on application procedure please visit the following:

その他問い合わせ(旅費等に関する補助金(スカーラーシップ)を含む)は、以下にご連絡下さい。
公共政策大学院講師 池 直美  n_chi*hops.hokudai.ac.jp
(迷惑メール防止のため、*を@に変えてご送信下さい)

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